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【実例あり】スポーツマーケティング領域におけるエンゲージメントを徹底解説!
皆さんはエンゲージメントやファンエンゲージメントという言葉を耳にしたことがあるでしょうか。
ファンエンゲージメントはスポーツにおいて、観戦者数や収入を増加させるためにも必要な要素となっています。
今回は、スポーツ業界におけるエンゲージメントについて解説します。
スポーツに業界における印象的な取り組みもご紹介しています。
エンゲージメントとは?
エンゲージメント(engagement)とは、約束、契約、婚約などの意味を持ちます。
ビジネスにおいては、人事領域やマーケティング領域で活用され、領域によって意味合いは異なるものの、「深いつながりや関係性」を指します。
各領域や状況によって様々な意味合いを持つエンゲージメントは、下記の領域ではどのように解釈されるのでしょうか。
人事領域における「エンゲージメント」の意味
人事領域では、従業員の組織に対する愛着心や愛社精神、思い入れといった意味合いに解釈されて使われています。
マーケティング領域における「エンゲージメント」の意味
マーケティング領域において、エンゲージメントはつながりや関与の度合いといった意味合いで使用されています。
顧客による企業やブランド、サービスに対する結びつきやつながりの強度を意味します。
スポーツにおける「エンゲージメント」
これまで見たように、領域や状況によって様々な意味に解釈されるエンゲージメントですが、スポーツ業界においてエンゲージメントはどのような意味で解釈されるのでしょうか。
スポーツ業界では、エンゲージメントは顧客のクラブや選手に対する結びつきの度合いを意味することが多いです。
人事領域におけるようなクラブや企業内での結びつきを指すこともあるとは思いますが、顧客とクラブや選手との結びつきの度合いを意味します。
また、しばしばスポーツ業界では、ファンとともに用いて「ファンエンゲージメント」とすることがあります。
ファンエンゲージメントは、ファンとの結びつきや関係性を意味します。
スポーツにおけるエンゲージメントの変化
以前までのファンエンゲージメントは、直接試合会場に足を運ぶファンのクラブとの結びつきを意味していました。
ファンエンゲージメントが向上すれば試合観戦の頻度が高まり、チケットやグッズ収入等の増加が見込まれます。
そのため、プロスポーツの健全な運営と競技力向上のためにもファンとの強いつながりは必要不可欠と言えます。
なぜ変化が起こった?なぜ必要?
スマートフォンをはじめとしたIT機器の普及や新型コロナウイルス感染症の流行に伴って、ファンエンゲージメントはオフラインだけでなく、オンライン上での取り組みや結びつきも注目されるようになりました。
新型コロナウイルス感染症が流行する以前からオンラインでの取り組みは実施されていたものの、2020年には現地で観戦する人が大幅に減少したことにより、多くのプロスポーツクラブがオンラインを活用したアプローチを積極的に取り入れました。
各クラブやリーグは、特にSNSを用いたコミュニケーションを通してファンとのつながりを強化しました。
新型コロナウイルス感染症の流行以前からSNSを用いたコミュニケーションは実施されていましたが、恐らくコロナ禍を契機に現地で観戦するファンの数だけでなく、エンゲージメントを意識するようになったと考えられます。
ファンエンゲージメント実例
ファンとの結びつきを表すエンゲージメントが注目されるようになったスポーツ業界ですが、実際にどのような取り組みが行われているのでしょうか。
川崎ブレイブサンダース
B.LEAGUEに所属するプロバスケットボールクラブ「川崎ブレイブサンダース」はSNSを活用して、アリーナでの観戦以外でファンとのつながりを強化しています。
アリーナへ来場する方だけでなく、SNSを通してクラブを応援する方も「ファン」と位置づけ、取り組みを進めています。
川崎ブレイブサンダースでは、顧客導線を6つに分類し、それぞれに沿ったSNSを活用しています。
具体的には、「認知」「興味」「来場促進」「観戦」「愛着」「コミュニティ形成」に分けています。
「認知」はTikTok、「興味」はYouTube、「来場促進」はLINE、「観戦」はリアルでの体験、「愛着」はX(旧Twitter)とInstagram、「コミュニティ形成」はオンラインサロンを活用しています。
YouTubeを例に挙げると、川崎ブレイブサンダースでは注力する以前からチャンネルを運営していたものの、試合風景やティーザームービー等を投稿していました。しかし、視聴者の欲しい情報を発信できるようにコンテンツを作成するようにしました。
Nike
ファンとブランドとの結びつきを強化したいと考えるのは、プロスポーツクラブだけでなく、スポーツ用品を扱うNikeも同様です。
多くのスポーツブランドが広告を通して、より多くの顧客を得たいと考えています。
Nikeでは2018~2019年に世界を巻き込んだ広告キャンペーンがあります。
それは同社スローガンである「Just Do It」の導入30周年を記念した「Dream Crazy」キャンペーンの広告動画です。
広告動画内では、多くのスポーツ選手が起用され、なかでもアメリカンフットボール選手のコリン・キャパニックがキャンペーンの顔として採用されました。
コリン・キャパニック選手は、2016年、国歌斉唱の際に人種差別に抗議する意思を示すため、膝をつき起立を拒否したという過去があります。これは世論を二分する論争を巻き起こしました。
そんな選手を採用したこともあり、広告キャンペーンに対しては賛否両論の意見が寄せられました。
これは、一部では反対意見が存在したものの、世界中の人に伝わる非常に強いメッセージを示し、一部では顧客との結びつきを強くした例として挙げることができます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
スポーツ業界における「エンゲージメント」と印象的な取り組みをご紹介しました。
現地での観戦以外でのエンゲージメントを強化する取り組みは今後も促進すると考えられます。
本サイトでは、インターンシップやスポーツ業界に関するコラムを多数公開しています。ぜひそちらも併せてご覧ください。
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