スポーツ業界の今後は?気になるスポーツ業界の現状と将来性

スポーツ業界の今後は?気になるスポーツ業界の現状と将来性

投稿日:2024年8月21日 更新日:2024年9月11日

コラム

みなさんスポーツ業界に対してどのようなイメージをお持ちでしょうか。

昨今、オリンピックや国際大会での日本人選手の活躍により、何らかの形でスポーツに触れた方は多いでしょう。

では、そのスポーツを取り囲むスポーツ業界の現状はどうなっており、将来性はあるのでしょうか。

今回の記事は、そんなスポーツ業界の今後について解説していきます。

スポーツ業界に興味のある方やスポーツ業界への就職・転職を考えている方は、業界を知る入口として当記事を参考にしてみてください。

スポーツ業界とは

スポーツ業界とは、スポーツに関連するサービスや商品を提供している企業・分野のこと全般を指します。

一般的に想像される「プロスポーツチーム」や「スポーツ用品」だけでなく、スポーツの情報を届ける「スポーツメディア」やスポーツの場を提供する「スポーツ施設」等も含まれ、様々な仕事や分野が存在するのがスポーツ業界の特徴です。

また、それぞれの仕事が双方に関わり合い、スポーツ業界を構成している点もスポーツ業界の特徴であります。

 

スポーツ業界の分野

様々な仕事や分野が関わり合い、構成されているスポーツ業界は複雑に思われますが、概ね

  • ①スポーツサービス・情報産業
  • ②スポーツ用品産業
  • ③スポーツ施設・空間産業

といった3つのカテゴリーに大別することができます。

各カテゴリーでどのような仕事があるか、スポーツ業界をより詳しく知りたい方は以下の記事でまとめていますので、ぜひご覧ください。

スポーツ業界とは?業界の仕組みや分野・トレンドを解説!

 

スポーツ業界の現状

現在、日本のスポーツ業界を取り囲む環境はどのようになっているでしょうか。

近年の「モノ消費」から「コト消費」への価値観の変化や健康志向の高まりから日本のスポーツ業界への関心や需要は高まっています。

また、政府が発表した「日本再興戦略2016」でもスポーツを成長産業化させることが明記され、2012年時点で約5.5兆円だったスポーツの市場規模を2025年までに15兆円にまで拡大させる目標が掲げられています。

つまり、官民でスポーツ業界を成長させる機運が高まっているのが現状と言えるでしょう。

しかし、欧米諸国と比べると日本のスポーツ業界はまだまだ小規模です。アメリカのスポーツ業界の市場規模は2016年時点で50兆円と日本(5.5兆円)の10倍近い規模になります。また、プロスポーツの観点で見ても、Jリーグは約1500億円の市場規模に対しプレミアリーグは8000億円を超える規模であり、差は歴然です。

このようにスポーツ業界の規模でみると、欧米諸国との差は大きいのが現状です。しかし、人口や経済規模では日本も同程度の規模があり、スポーツ業界を拡大させるポテンシャルは十分あると考えられます。

スポーツ業界は欧米諸国に比べると小規模ながら、成長させる機運は高まっており発展が期待できる業界であると言えます。

スポーツ業界の課題

スポーツ業界の現状の課題として主に以下の2点があげられます。

収益モデルの構築

現行より、さらに多角的な収益モデルを構築することは、スポーツ業界の課題と言われています。

プロスポーツにおいては従来のようなチケット収益だけでなく、スポンサーシップの拡大やデジタルメディアやSNSの活用による収益拡大など収益スタイルをより多角化する必要があります。

スポンサーシップでは、従来のスタジアムでの広告掲載だけでなく、チームの肖像権やブランド使用権の販売やコラボイベントによる広告宣伝などより多角的なアプローチで収益を増加させることが必要です。

また、アマチュアスポーツにおいても同じことが言えます。例えば、アメリカでは大学リーグでも放映権収入などビジネス化され大きな収益を上げています。一方、日本のアマチュアスポーツは教育的観点が強くビジネス視点の導入に抵抗があり、収益を高めるビジネスモデルが構築されていないケースが多くあります。

スポーツ業界をより拡大・発展させるにはスポーツ業界の「稼ぐ力」をよりつけることが必要なのです。

人材不足

スポーツ業界の人材不足は喫緊の課題です。

文科省も「スポーツ団体における人材の質・量の充実が急務」と課題に挙げており、特にスポーツ経営人材が不足しているとしています。

国としてスポーツ業界の成長に取り組むために、人材育成・確保が大きな課題となっており、官民で様々な取り組みが行われています。

スポーツ業界の人材不足と、人材育成に関する具体的な取り組みなどの詳細は以下の記事でまとめておりますので、ぜひご覧ください。

【課題】スポーツビジネスに必要不可欠な「経営の目線」とは

 

スポーツ業界の今後と将来性

スポーツ業界は様々な課題を抱えながらも、以下の事象から今後さらなる拡大・発展が見込めます。

政府主導の成長産業化

先述のとおり、政府はスポーツ庁主導でスポーツ市場をさらに拡大させる目標を掲げています。

スポーツ経営人材育成のための取り組みやスポーツスタジアム・アリーナを活用した地域活性化に対する支援などの取り組みでスポーツ業界を成長産業となる基盤構築を行っています。

スポーツ情報産業の拡大

様々な技術革新やSNSの発達により、誰でも簡単に好きなスポーツの情報が手に入るようになりました。

また、高性能カメラやデータ収集技術の向上から、これまで主観的だったプレーの「凄さ」が見える化されるようになりました。

例えば、ホームランがどの程度の飛距離でどれくらいの打球速度のホームランだったかが瞬時に分かり、そのホームランの「凄さ」が客観的な情報をから判断できるようになりました。

このように現代社会のトレンドである「情報」はスポーツ業界にもあてはまり、スポーツを「する人」「見る人」双方がスポーツに関する莫大な情報を得られるようになりました。

この莫大な情報がスポーツ業界の拡大を加速させ、スポーツのライブ配信やアナリスト業務など新たなビジネスを生み出しています。

スポーツツーリズム

スポーツツーリズムとは、「スポーツの参加や観戦を目的とした地域の訪問や、地域資源とスポーツを掛け合わせた観光を楽しむこと(観光庁、2024年)」です。

プロスポーツチームの試合や国際大会の開催は、開催地域に多くの人を動員し大きな経済効果をもたらします。

開催地域の観光資源も活用することによって、集客力を高め地域創生に貢献できるとともに、インバウンド需要への対応できます。

日本経済のトレンドでもある「地域創生」「インバウンド」に対応可能なスポーツツーリズムは今後さらなる拡大が見込まれる分野だと考えられるでしょう。

まとめ

いかかでしたでしょうか。

スポーツ業界の今後について解説してきましたが、スポーツ業界は課題を抱えながらも成長が大きく期待される業界です。

同時にスポーツ業界の拡大は、高まるインバウンド需要や地域創生など日本経済をより豊かすることに繋がり、他業界にも好影響を与えると言えるでしょう。

当サイトでは、スポーツ業界に関する様々な記事を多数公開しているため、ぜひご覧ください。

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