スポーツ業界とは?業界の仕組みや分野・トレンドを解説!

スポーツ業界とは?業界の仕組みや分野・トレンドを解説!

投稿日:2023年7月28日 更新日:2024年1月16日

スポーツビジネス関連

「スポーツ業界」と聞くと、なんとなくスポーツに関する仕事?ということは分かっても、具体的な企業や仕事、さらには業界全体の仕組みを理解できている方は少ないのではないでしょうか。

そこで、今回はスポーツ業界の仕事や、業界の仕組みについてお伝えさせていただきます!

  • スポーツ業界の仕事の種類を知りたい
  • スポーツ業界の今後が気になる
  • スポーツ業界への就職を目指している

という方は、是非参考にしてみてください。

スポーツ業界とは

スポーツ業界とは、スポーツに関連するサービスや商品を提供している企業・分野のこと全般を指します。

「スポーツチーム(プロスポーツ)」「スポーツメーカー」「スポーツトレーナー」「スポーツ施設」など、さまざまな仕事・分野が思い浮かぶと思いますが、その種類は多様化しています。

ここからはスポーツ業界の代表的な分野について、詳しく解説していきます。

スポーツ業界の代表的な分野

スポーツ業界の仕事は複雑かつ多様化しており全体像が掴みにくく感じますが、概ね

  • ①スポーツサービス・情報産業
  • ②スポーツ用品産業
  • ③スポーツ施設・空間産業

といった3つのカテゴリーに大別することができます。

各カテゴリーでどのような仕事があるか、詳しく見ていきましょう。

①スポーツサービス・情報産業

スポーツサービス産業とは、「スポーツを通じて顧客に体験価値を提供する」産業のことをいいます。

代表的なものとして「プロスポーツチーム」「スポーツトレーナー」などが挙げられます。

「サービス」という言葉が分かりにくくしているかもしれませんが、「サービス」という言葉は経済学的に「形に残らないもの」なので、「無形の体験価値を提供しているスポーツ産業」と捉えていただくと良いでしょう。

また、スポーツ情報産業の代表的な仕事は「スポーツメディア」です。

スポーツに関することを報道したり中継したりする「スポーツメディア」が存在しなければ、スポーツの魅力や試合結果などを広く知ってもらうことができません。

スポーツの魅力や面白さを発信する「スポーツメディア」の存在がなければ、スポーツ業界の発展はないでしょう。

それぞれの仕事について、もう少し詳しく見ていきましょう。

・プロスポーツチーム

その名の通り「スポーツチームを運営してビジネスをする」集団です。

プロ野球・Jリーグ・Bリーグなど、国内にはいくつかのプロスポーツリーグが存在し、プロスポーツチームは試合や競技(興行)を通じて収益を得ています。

プロスポーツチームの収益の四本柱は「入場料収入(チケット)」「広告料収入(スポンサー)」「物販収入(グッズ・飲食)」「放映権収入(中継・映像)」と言われています。

また、プロスポーツチーム内の組織図は通常「チームオペレーション」と「ビジネスオペレーション」に分かれます。

「チームオペレーション」はチームの編成・強化・育成などを担い【強いチームを作ること】をミッションとしています。

対して、「ビジネスオペレーション」はチケットや物販・スポンサー契約などを担い【ビジネスとして成立させること】をミッションとしています。

・スポーツトレーナー

スポーツトレーナーは、アスリートがより良いパフォーマンスを発揮できるよう、身体のケアや治療・リハビリ、トレーニング指導などを行う仕事です。

アスリートを支えるという点では、他に「栄養士」「通訳」といった仕事も、スポーツトレーナーと同じカテゴリーかもしれません。

このような仕事に従事する方は、個人(フリーランス)で球団と業務委託契約をしている場合や、クリニック・企業から派遣される場合、球団職員となる場合など、雇用・契約形態は様々です。

それぞれの分野の専門知識だけでなく、その競技特有の知識も兼ね備えている必要があります。

・スポーツメディア

スポーツはメディアととも発展してきた、と言っても過言ではありません。

「メディア(media)」を日本語に訳すと「中間」という意味です。

つまり、「何か」と「何か」をつなぐということですが、「スポーツメディア」のミッションは【スポーツコンテンツ】と【見たい・知りたい消費者】をつなぐことです。

「テレビ(中継・ニュース)」「新聞」などの媒体があり、インターネットが発達した現代においてはOTTサービスやWebメディア・SNSなどもメディアの代表格となっており、消費者がスポーツ情報に触れる手段は多様化しています。

②スポーツ用品産業

スポーツ用品産業とはその名の通り、スポーツ用品の製造・販売・流通など、スポーツ用品を世の中に提供する仕事のこと全般を指します。

そのなかでも代表的な「スポーツメーカー」「スポーツ小売」について見ていきましょう。

・スポーツメーカー

スポーツをするための様々な用具の企画・開発・デザイン・製造・販売を行うのが「スポーツメーカー」です。「スポーツブランド」と言い換えることもあります。

一般消費者へ向けた商品から、トップアスリート仕様のオーダー用具まで、様々なかたちで世の中にスポーツ用品を提供しています。

幅広い競技で商品展開する「総合スポーツメーカー」だけでなく、特定の競技・分野に強みを持つ専門的なメーカーもあり、その事業規模・ターゲット層も様々です。

みなさんご存知の「ナイキ」「アディダス」は、世界でもトップクラスの総合スポーツメーカーと言えるでしょう。

  • 【幅広く事業展開する総合スポーツメーカーの例】
    • ナイキ
    • アディダス
    • プーマ
    • アンダーアーマー
    • ミズノ
    • アシックス
  • 【特定の競技に強みがあるスポーツメーカーの例】
    • ハタケヤマ(野球|日本)
    • 久保田スラッガー(野球|日本)
    • アスレタ(フットサル・サッカー|日本)
    • ヨネックス(テニス・バドミントン・ゴルフ|日本)
    • AND1(バスケ|米国)
    • アンブロ(サッカー・ラグビー|英国)
  • 【ある製造技術に強みを持つスポーツメーカーの例】
    • モルテン(競技用ボールの製造に強みがある。ゴムの加工技術を活かし自動車部品や建設資材の製造も手掛ける)
    • ブリジストン(タイヤ製造や化学加工品の技術を活かしスポーツ用品の製造も行う。ゴルフ・テニスなど)

・スポーツ小売

スポーツ用品を販売する仕事です。メーカーが作った製品を消費者に届ける役割をになっています。

小売店の大手企業としては、

  • 株式会社アルペン
  • ゼビオホールディングス株式会社
  • 株式会社ヒマラヤ

が挙げられます。スポーツ好きな方であれば、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

上記で挙げた企業は、様々な競技の商品を取り扱う大型店を構えているのが特徴です。

他にも、特定の競技や道具(シューズ専門・グラブ専門など)に特化した専門店、ネット販売に特化した企業もスポーツ小売に含まれます。

③スポーツ施設・空間産業

野球やサッカーのスタジアム、バスケットボールのアリーナなどプロスポーツの興行が行われる競技場や、フットサルコートやゴルフ場・スキー場など一般の方が使用できる施設の管理・運営を担っているのがこの分野です。

民間施設・公共施設いずれもこれに含まれます。

また、フィットネスジムやスイミングスクールは「スポーツサービス産業」の側面もありつつ、施設を管理・運営している業態でもあるので、広義ではこの分野にも該当するでしょう。

・スタジアム運営

プロスポーツチームの興行が行われるスタジアムやアリーナの運営をする仕事です。

チーム(オーナー企業)が施設の所有者であるパターンもあり、そういった場合には「スポーツサービス産業」「スポーツ施設・空間産業」の両面を持っていることになります。

スタジアム運営においては施設の維持管理および安全に運用することもちろんですが、ビジネスとして成立させるため「効率的に稼働させる(=空きを作らない)」こともポイントとなります。

スポーツ業界の代表的な「職種」

ここまでスポーツ業界の代表的な業態について見てきましたが、それぞれの分野においても一般企業同様「営業職」「事務職」「マーケティング職」など、従業者の役割も様々です。

スポーツ業界の職種について代表的なものをご紹介しつつ、スポーツ業界特有のものを見ていきましょう。

・スポーツ業界の「営業(セールス)」

スポーツ業界の代表的なセールス業務として、「スポンサーセールス」があります。

「スポンサーセールス」とは、企業間での取引や営業活動など、スポンサーシップに関わる業務のことです。

主には下記のような業務があります。

  • 新規スポンサー獲得のための営業活動
  • チケット販売に関する企画・営業活動
  • グッズなどの商品設計・営業活動
  • イベントの企画・運営

・スポーツ業界の「マーケティング職」

スポーツ業界のマーケティングは「スポーツマーケティング」と呼ばれていますが、スポーツ価値を活用してマーケティング活動をすることです。

①スポーツのマーケティング

チームや団体といったもの自体を宣伝することが目的です。

マーケティング活動により、チームや選手のファンを増やし、チームや団体の収益を増やす活動です。

②スポーツを活用したマーケティング

チームや団体のスポンサー企業が、チームや選手を活用して自社のマーケティング活動をすることです。

スポーツを通じて自社のブランディングや収益向上を目的としています。

スポーツ業界の市場規模

2012年時点で約5.5兆円の市場規模をされていたスポーツ業界の市場規模。

文部科学省はスポーツ業界の市場規模を2025年までに15兆円に拡大することを目指すとしており、さらなる発展が期待されています。

スポーツ業界は現在、世界中で大きな規模と市場動向を持っています。スポーツは人々の生活の一部となっており、常に注目されています。

特に最近では、テクノロジーの進化とともにスポーツ業界に様々な変化がもたらされています。

VRやAIなどの最新技術は、スポーツの視聴体験やトレーニング方法に革新をもたらしています。

これにより、スポーツ業界はますます多様化し、魅力的なビジネスモデルが生まれつつあります。

また、オンラインサービスやデジタルコンテンツの拡大によって、スポーツビジネスのビジネスモデルも大きく変化しています。

さらに、国内外での競争状況も激化しており、海外企業の参入や日本企業のグローバル展開が進んでいます。

東京オリンピック・パラリンピックの影響やスポーツ推進政策もあり、日本のスポーツ産業は成長ポテンシャルを持っていますが、課題もあります。

日本のスポーツ業界の未来展望を考える上で、これらの要素を踏まえる必要があります。

ビジネスや産業としてのスポーツ業界が今後どのように変化していくのか、注目が集まっています。

スポーツ業界のトレンド

①技術の進化がもたらす変化 

既にスポーツ業界もIT化・DX化が行われていますが、今後ますます進むことが予想されています。

例えば、5G回線を利用したライブ中継は従来の臨場感をはるかに超えるものとなります。

また、VR技術との融合で、あたかもその場にいるような感覚を味わうことが可能になります。

それ以外にも、「チケット販売」ではQRコードによるチケットレス化、「グッズ販売」ではNFTをはじめとするデジタルデータ化など、今よりも当たり前になるものが増えていくでしょう。

DX化が進めば、あらゆるデータを取得することができるようになるため、データを活用したマーケティングも重要になってくるかもしれません。

また、VRやAIなどの最新技術はスポーツ業界に与える影響が大きく、様々な分野での革新が期待されています。

一つはスポーツの視聴体験の変化です。

これまではテレビ中心の視聴スタイルでしたが、VRの普及によってリアルな試合観戦が自宅で可能となります。

また、AIの活用によって試合の解説や選手のパフォーマンス分析がより的確になります。

さらに、スポーツのトレーニング方法も変化するでしょう。

AIが選手のデータを分析し、個別に最適なトレーニングメニューを提案することで、効果的なトレーニングができるようになります。

このように、技術の進化がスポーツ業界にもたらす変化は大きく、今後ますます注目が集まるでしょう。

②ビジネスモデルの変革

スポーツ業界においては、オンラインサービスやデジタルコンテンツの拡大がビジネスモデルの変革をもたらしています。

インターネットの普及により、スポーツファンはスポーツの視聴や情報収集をオンラインで行うことが一般的となりました。

これにより、テレビ放送だけでなく、ライブストリーミングや動画配信など、多様な形でスポーツを楽しむことが可能になりました。

また、デジタルコンテンツの拡充により、スポーツ関連のアプリやウェブサイトが多数登場し、スポーツファンはいつでもどこでもスポーツに関する情報を手軽に入手することができるようになてきました。

③スポンサーシップ・マーケティング手法の変化

スポーツにおけるスポンサーシップやマーケティング手法も進化しています。

従来は企業がスポーツイベントやアスリートに対して直接的な広告展開を行っていましたが、今ではSNSやインフルエンサーマーケティングを活用したアプローチも増えています。

スポーツ関連のコンテンツを提供する有名YouTuberやインスタグラマーとのコラボレーションや、バーチャルリアリティを活用した広告など、新たな手法が次々に生まれています。

オンラインサービスやデジタルコンテンツの拡大によるビジネスモデルの変革が進んでおり、スポーツファンの視聴体験が向上・スポーツビジネスの活性化が期待されています。

④スポーツくじ

海外では「スポーツベッティング」と呼ばれるものが盛んです。

日本では「スポーツベッティング」はスポーツ賭博で違法となるため、現状は 「toto」などのスポーツ振興くじとして、

しかし、日本でもスポーツ産業の活性化につながるとして、「スポーツベッティング」の導入が検討されています。

導入されることで新たなビジネスが生まれてくるかもしれません。

スポーツ業界への就職

①プロスポーツチームへの就職

スポーツ業界への就職というと、プロスポーツチームへの就職を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。

しかし、チームが常に求人を募集をしていることは少なく、ましてや新卒を募集しているところはほとんどありません。

そのため、インターンシップに参加してそのまま社員になる人や、別企業に一度就職してから、再度チームへの就職を目指す人が多いのが現状です。

②スポーツメーカーへの就職

国内スポーツメーカーの大手といえば、「アシックス」「ミズノ」「デサント」です。

人気の就職先として有名なため、スポーツを仕事にしたい学生の多くが目指している企業です。

しかし、スポーツメーカーは上記以外にも多くあるため、業界の研究をした上で検討することが大事となります。

③スポーツ関連企業への就職

スポーツ関連企業は「スポーツマーケティング会社」「広告代理店」などが含まれます。

特に「スポーツマーケティング会社」に就職すると、様々なスポーツやチームに携わることができます。

また、そこで培った知識やスキルを元に、仕事で携わっているチームなどに就職することも不可能ではありません。

④一般企業への就職

一般企業に就職したとしてもスポーツに携わることは可能です。

例えば、プロスポーツチームのスポンサー企業に就職すると、配属された部署によっては、チームを活用したマーケティングに関わる仕事ができます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

スポーツ業界と言っても職種も様々で、いろいろな仕事があります。

スポーツ業界への就職を目指す際には、「どんな職種があるのか」「実際にどのような仕事をしているのか」を正しく理解しておく必要があります。

実際の仕事を経験するには「インターンシップ」をうまく活用することがいいのではないでしょうか。

業界理解に繋がる最適な方法だと思いますので、是非一度インターンシップへの参加を検討してみてください。

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