分かっているようで分かっていない、インターンシップのフィードバックとは

分かっているようで分かっていない、インターンシップのフィードバックとは

投稿日:2023年5月31日 更新日:2023年7月12日

インターンシップ関連
コラム

令和の時代に入ってから、就活において「インターンシップ」は企業・就活生の両者にとっても欠かせないものになりました。しかし、それだけ世の中に一般的になったからこそ、周りに流されてただインターンシップ(以下:インターン)に参加している就活生、他の企業に倣ってただ短期インターンを開催しているだけの企業が多く存在するのもまた事実です。

インターンにおいてただ言われた業務をこなすだけでは成長にはつながりません。短期長期にかかわらず、自分の行ったアクションに対して他者からのフィードバックをもらい、それをもとに改善していくことが成長への近道です。

今回の記事では、就活生の皆さんにとって、「なんとなく聞いたことはあるけどいまいちどういうものかわからない・・・」となりがちなフィードバックについて、その定義からメリットまで詳細に解説していきます。

フィードバックとは

この記事を読んでいる皆さんの多くは、フィードバックという単語を少なからず耳にしたことはあるでしょう。ただ、もしも友人に「フィードバックってなんだっけ?」「フィードバックって何のためにあるの?」と聞かれたら皆さんはすぐに答えられるでしょうか??

まずはフィードバックそのものの定義についてみていきましょう。

広辞苑によると、

あるやり方を修正・改善するために、得られた意見・情報などの結果を原因の側に反映させること。送り返し

と定義されています。もう少しビジネス風にわかりやすく書くと、

個人(グループ)が行った業務に対して口頭や文書で改善点や評価を伝え、修正や改善を促すこと

と言い換えることができます。インターンの場合、面接や実際の勤務を通して得られた就活生の良いところ、悪いところを企業側が就活生に伝えるといった形式がとられます。企業によって、フィードバックを全く行わない、個人ではなくグループ全体に向けたフィードバックのみを行う、インターン生個人個人にフィードバックを行う場合など、対応は様々です。

フィードバックのメリットとは

先ほどから何度か書いているように、インターンにおけるフィードバックは成長のために不可欠です。しかし、いくら不可欠不可欠と言われても、「なぜ??」と思う方も多いでしょう。ここからはインターンにとどまらず、ビジネスにおけるフィードバックが個人の成長につながる理由について詳細に解説していきます。

PDCAサイクル

フィードバックの重要性を説明するために、PDCAサイクルという単語は欠かせません。

PDCAサイクルとは、

  • P(plan) 目標のために計画を立てること
  • D(do) 計画に沿って実際に行動すること
  • C(check) 行動によって得た結果をもとに、目標が達成できているか検証すること
  • A(action) 検証結果をもとに、次の計画のための見直しを行うこと

の頭文字をとったもので、計画を立てて実行し、それに対する評価をもとに改善するサイクルを続けることで成長できるといったもので、アメリカの統計学者W・エドワーズ・デミング博士らによる講演がきっかけで日本に浸透し、戦後、日本企業の多くで採用された業務改善のためのフレームワークです。

この作業において特に大切なのが後半二つのcheck(検証)とaction(改善)です。しかし、PDCAサイクルのデメリットとしていくらサイクルを回しても、この検証と改善が個人の裁量に任されてしまっているため、不必要に同じサイクルを回し続けてしまう恐れがあることです。特に若い人の場合どうしても仕事経験が不足していることから、どこをどのように改善すればよいのかわからず同じサイクルを繰り返してしまったり、検証や改善を満足に行えない場合があるでしょう。

そこで必要なのが、検証と改善の間に他者からのフィードバック(F)を受け取ることです。

フィードバックを行うのは、自分より立場が上の上司であることが多く、若手の新入社員である自分よりも経験豊富です。客観的目線での評価やアドバイスをもらうことで、自分一人では気づけなかった計画やその前提となった仮定の問題点について気づくことができます。その結果自分一人で行うよりもより早く正確にPDCAサイクルを回すことができるのです。CとAの間にFを入れた形のPDCFAサイクルが現代的な業務改善のためのフレームワークといえるでしょう。

就活におけるPDC(F)Aサイクル

このPDC(F)Aサイクルは、就職活動においても有効です。

インターンの場合、通常業務におけるフィードバックはもちろん、社員の方から自分はどのように見えているかといった、今後の就職活動において役に立つ情報もいただくことができます。そのフィードバックをもとに企業研究や自己分析を改善することで、次のインターンや面接までに自分の行動を修正することにつながります。

もちろんですが、時には手厳しい内容のフィードバックを受けることもあるでしょう。落ち込むことも時にはあるかもしれませんが、逆に改善のためのチャンスだと思うようにしましょう。インターンにおいて、そのような叱咤激励を含んだフィードバックをいただくということは、期待の裏返しだと言えます。ポジティブな内容だけのフィードバックは気分は良いですが今後の改善にはつながりにくく、むしろネガティブなフィードバックが欲しいといった就活生の意見も耳にすることが多いです。

フィードバックにおいて企業側が意識すべきこと

ここまで就活生側に立ってフィードバックのメリットについて解説してきました。しかし冒頭でも触れたように企業側が就活生のニーズに沿ったフィードバックを行えていない場合も多々あります。就活生一人一人に適切なフィードバックを行うことは、インターンを行う企業側にとってもメリットが多く存在します。

一人一人に適切なフィードバックを行うことで、インターン生に「自分のことをきちんと見てくれている」といった満足感を与えることができます。また、インターン生とコミュニケーションをとる良い機会になり、会社の魅力を伝えやすくなるでしょう。今どきはポジティブ・ネガティブ問わずそういったインターンの情報は瞬く間に拡散されるため、適切なフィードバックは企業の好感度・人気度の向上にもつながるといえます。

インターン生に対するフィードバックで企業側が注意するべき点をいくつか紹介しておきます。

①客観性

上でも触れたように、インターン生の顔色ばかりをうかがいポジティブな内容のみを伝えるのは逆効果です。インターンにとどまらず、フィードバックにおいて大切なのは感情を抜きにした客観的な評価です。自己分析だけでは気づくことのできないポイントに触れられると効果的でしょう。ただし、評価だけにとどまらず具体的な改善案を出してあげることも重要です。

「〇〇を△△すればもっと良いものが出来たんじゃない?」といった風にアドバイスしてみてください。

②スピード

勉強でも解いた問題をすぐ答え合わせして先生の解説を聞くと効果が大きいように、フィードバックもスピードが大切です。特に短期インターンの場合、フィードバックを学生に与えることのできる機会はそう多くはありません。適切なフィードバックを素早く行うには学生の一挙手一投足を観察する必要があります。その結果、学生一人一人に寄り添った質の高いインターンが生まれるのではないでしょうか。

③形式

従来、フィードバックは社員が一人一人に客観性を持ったアドバイスを行うことが理想ですが、短期インターンで人数も多い場合なかなか一人一人に詳しいフィードバックを行うのは難しいというケースもあるでしょう。そのような場合でもフィードバックを行わないのではなく、学生同士でグループワークの最後に意見交換をする機会を設けてみるのはどうでしょうか。社会人の方からのフィードバックほどではないにせよ、自己分析だけではなかなか気づけない他人目線からの自分の見え方についてインターン生一人一人に気づいてもらうことを促せます。満足のいくフィードバックを全員にできない状況でも、何かしらの工夫をする姿勢が大切です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

インターン生にとって社会人の方からフィードバックを貰うときはやはり緊張するでしょう。しかし、記事で紹介したようにフィードバックは必ず自分の成長につながるきっかけになります。多少厳しい内容でも自己分析だけでは得られない貴重な意見だと思ってしっかり聞くようにしましょう。

当サイトではほかにもインターンについてのコラムを多数掲載しておりますので、よかったらぜひそちらも参考にしてください。

 

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