スポーツマーケティングって何?具体的事例から詳細に解説!

スポーツマーケティングって何?具体的事例から詳細に解説!

投稿日:2023年4月22日 更新日:2024年1月9日

コラム

皆さんは「スポーツマーケティング」という言葉を耳にしたことはあるでしょうか。

スポーツマーケティングとは「スポーツが持つさまざまな価値を生かして行うマーケティング活動」のことを言います。このように定義を紹介しても、スポーツマーケティングが具体的にどのような活動のことを指しているのかわかりにくいと思います。

そこで今回はスポーツマーケティングの詳しい説明や「スポーツビジネス」や「スポーツマネジメント」などの似たような言葉との関係性、そして実際の成功事例などをご紹介します。

スポーツマーケティングの分類

スポーツマーケティングは大きく分けると、「スポーツ自体のマーケティング」と「スポーツを活用したマーケティング」の2種類に大別されます。この2つを表にすると次のようになります。

    マーケティングの主体   マーケティングの効果
     スポーツ自体のマーケティング  スポーツチームやリーグ

ファンや観客の増加
認知度向上

スポーツを利用したマーケティング   一般企業

商品の認知度向上
売り上げの増加

①スポーツ自体のマーケティング

まず、前者はスポーツをコンテンツとして世間に提供しているスポーツチームやリーグが主体となって行うマーケティングです。プロ野球やJリーグのチームが行う広報活動もここに含まれます。

これらの主体のマーケティング目的は実際にスタジアムやアリーナに来場する人の数を増やしたり、テレビなどのメディアを通して応援してくれるファンを増やすこと、そして既存のファンが離れないように様々なコンテンツを通して楽しんでもらうことです。具体的な例として新規ファン開拓のためアイドルやアニメキャラのような他コンテンツとのコラボであったり、既存ファン維持のためにグッズ開発や公式SNSの充実、ファン感謝祭の実施などが挙げられます。

来場者やファンが増加すると、それに伴って収入も増加し、さらなるマーケティング活動を行うことでその収入を維持・向上させることができます。

②スポーツを利用したマーケティング

後者はスポーツをコンテンツとして扱っていない一般企業がスポーツが持つ価値を利用して行うマーケティング活動です。

具体的には企業がスポーツチーム、リーグ、選手、スポーツイベント、そしてスポーツ自体を通してプロモーション活動を行い、商品の認知度向上や顧客獲得、企業のイメージアップを図っています。スポーツには多くのファンが存在し、感動を呼ぶスポーツへの協賛は大きな効果があると言えるでしょう。

野球であればJERAや日本生命、サッカーであればキリンなどスポーツごとにイメージされる企業は異なるのではないでしょうか。スポーツを通じて企業の名前、活動内容を世間の人に知ってもらおうと考える企業は多く存在します。

このようにスポーツマーケティングには主体も目的も全く異なる2種類のマーケティング活動が存在しています。

「スポーツビジネス」や「スポーツマネジメント」との違い

スポーツマーケティングと関係が深い言葉として「スポーツビジネス」や「スポーツマネジメント」という言葉が存在します。

これらの言葉はスポーツマネジメントと非常によく似た言葉なので違いがよくわからない人も多いと思います。そのため、ここではこれら二つの言葉の意味を解説し、スポーツマネジメントとの関係を明らかにしていきたいと思います。

スポーツビジネスとは

スポーツビジネスとはスポーツに関連したビジネス全般のことを指します。この説明は非常に抽象度が高く、わかりづらく感じるかもしれませんが、それだけスポーツビジネスは幅広い概念なのです。

具体的にはプロスポーツチームにかかわる仕事やスポーツ用品のメーカー、フィットネスジムのインストラクターなどが当てはまります。

また近年ではテクノロジーの発達により、試合をライブ配信するサービスや多種多様なデータをチームやファンに提供するサービスなどが登場しています。

このように、スポーツビジネスは非常に範囲が広く、スポーツマーケティングはスポーツビジネスの中に含まれる概念だといえるでしょう。

スポーツマネジメントとは

スポーツマネジメントは自らの組織の内部を適切に運営していくことを言います。

具体的には、人的・物的リソースが適切に利用されているかなどを管理したり、組織内部の環境を整備して能率向上をはかったりします。この言葉はほかの二つの言葉に比べ、新しい概念です。

スポーツマネジメントとスポーツマーケティングの関係

スポーツマーケティングが外向きの活動であるのに対し、スポーツマネジメントは内向きの活動で、様々な領域と関わる活動だということができます。

そのため二者の関係としては、「スポーツマーケティングはスポーツマネジメントがかかわる一領域である」という言い方ができます。

スポーツマーケティングの成功例

ここではスポーツマーケティングの実例を紹介します。

①B.LEAGUE

B.LEAGUEは2016年に開幕した男子バスケットボールのリーグで、開幕当初からSNSなどを活用して新規ファンを獲得しており、人気が急上昇しているリーグです。B.LEAGUEのマーケティングの特徴としては若年層、特に女性をターゲットにしたインターネットの活用が挙げられます。

2016年9月に代々木第一体育館で行われた開幕戦ではLEDコートが使用され、その見た目の派手さや、その他の演出の豪華さがSNS上で非常に話題になりました。

以降もB.LEAGUEはオールスターのMVP投票や「#Bリーグバレンタイン」、「マスコット総選挙」などの各種イベントでTwitterやインスタグラムなどを利用した投票を実施しています。

また、各クラブはTikTokやYoutubeにオリジナル動画を投稿したり、有名Youtuberなどのインフルエンサーとコラボした企画を行ったりして、若年層を中心に新規ファンの獲得を図っています。

②横浜DeNAベイスターズ

プロ野球セ・リーグの横浜DeNAベイスターズは2011年12月に株式会社ディー・エヌ・エーがオーナー会社となってから「ボールパーク化構想」を打ち出したり、横浜市と協力して地域経済活性化などを目的としたまちづくりプロジェクト「I☆YOKOHAMA」を発表するなど、積極的に新しい活動を進めています。

DeNAは野球が好きで頻繁に試合観戦に来る人から、野球にあまり興味がなく、友人に誘われたら行く程度のライト層までのすべての人をターゲットにして、試合以外でも楽しめるように様々なイベントを開催したり、新しい施設を開業したりしています。実際横浜スタジアムは実際に行くと、毎イニング間でイベントが行われていたり、コンサートやアニメコラボなど、野球にそこまで興味のない方も楽しませようとする姿勢を感じます。

2019年から供用開始となった、横浜スタジアム内のバックネット裏スタンド上部の個室展望席「NISSAN STAR SUITES (日産スタースイート)」ではグラウンドを一望できるロケーションの中で豪華な料理を堪能しながら試合観戦ができ、他のどの席でもできない特別な体験をすることができます。思い出に残る経験を提供することで普段野球観戦に行かない人にも楽しんでもらい、また球場に足を運んでもらうことを目指しています。

また、ナイターゲームの集客を向上させるために「BLUE☆LIGHT SERIES」や「YOKOHAMA STAR☆NIGHT」といったイベントを開催しています。

これらのイベントではゲストアーティストが試合後にライブを開催したり、クローザーが登場したときに特別な演出を行ったりしています。横浜スタジアムは屋外球場であり、ナイターゲーム時は暗い夜空の下での試合となるという特徴を生かした暗転などの演出は非常にSNS映えし、実際SNS上でも大きな話題を呼びました。

DeNAはこのようなイベントを通して試合自体以外の付加価値を向上させ、集客につなげています。

③アダストリア

アダストリアは「GLOBAL WORK」や「niko and…」などのブランドを展開するカジュアル衣料品や雑貨を中心とした会社です。

そんなアダストリアですが、地元茨城のB.LEAGUE所属チーム「茨城ロボッツ」やJリーグ所属チーム「水戸ホーリーホック」などのスポンサーとしてユニフォームのデザインなどを行っています。

また、Jリーグの各チームとコラボしたオリジナルTシャツの展開などを通して、アダストリアが普段展開しているアイテムのターゲットではない層にもアプローチして新規顧客の獲得を図っています。

まとめ

いかがだったでしょうか?

このコラムでは「スポーツマーケティング」という言葉の意味や似たような言葉との違いをご説明した後、実際のマーケティング事例を3つご紹介しました。

スポーツマーケティングと一概に言っても、その種類は多岐にわたります。スポーツチームだけでなく、普段スポーツとは関係のない活動をしている企業もスポーツマーケティングを行っていることがおわかりいただけたと思います。

当サイトではそのようなスポーツマーケティングに関連したインターン募集も掲載しておりますので、ぜひ一度ご覧ください。

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