ファンを取り込むスポーツマーケティングとは??

ファンを取り込むスポーツマーケティングとは??

投稿日:2024年6月6日 更新日:2024年6月18日

コラム

皆さんはスポーツの観戦に行ったことがあるでしょうか。スポーツ観戦に行くと、試合のほかにも様々なイベントが行われていることがわかります。

現在多くのスポーツチーム・リーグでは、新たなファンの獲得や既存のファンにより楽しんでもらうことを目的としたスポーツマーケティングをおこなっています。

今回の記事では、スポーツチームがファン向けにおこなっているスポーツマーケティングについて、実際のチーム・事例とともにご紹介していきたいと思います。

川崎フロンターレ

川崎フロンターレは、J1に所属しているプロサッカーチームです。

川崎フロンターレは、デロイトトーマツグループのスポーツビジネスグループによって発行される経営面からJリーグのクラブを評価する「Jリーグマネジメントカップ」において、2020年から2022年までの3年連続で1位を達成し、Jリーグで一番経営が上手なチームだと言われています。

川崎フロンターレがこの偉業を成し遂げた大きな要因として、スタジアム集客率が高いということが挙げられます。コロナ禍以前の2019年では、川崎フロンターレのホームスタジアムであるUvance とどろきスタジアム by Fujitsu(等々力陸上競技場)の試合日平均収容率が約86%と、多くのファンが観戦に訪れているということがわかります。

参考(https://think-simply.net/entry/attendance-rate-ranking)

川崎フロンターレがこのように試合日に多くのファンを集める理由は、スポーツマーケティングとして様々なイベントをおこなっているからです。ここからは、実際に行われたイベントを一部ご紹介していきます。

①宇宙兄弟などの有名アニメ・漫画とのコラボ

近年多くのスポーツチームがアニメや漫画とのコラボをおこなっています。その理由として、今までスポーツに関心がなかった層に興味を持ってもらいたい、試合を見に来てもらいたいという思いが挙げられます。

川崎フロンターレも沢山のアニメや漫画とのコラボをおこなってきました。

たとえば、宇宙兄弟とのコラボです。このコラボでは、宇宙兄弟の作者である小山宙哉先生がデザインしたオリジナルユニフォームを着用して選手が試合に出るなど、川崎フロンターレのサポーターはもちろんですが宇宙兄弟のファンも見逃せないイベントとなりました。

②地域密着型・社会貢献型のイベント

Jリーグのチームはホームスタジアムがある地域に根差したイベントを多くおこなっています。中でも特に、川崎フロンターレは地域密着という意識が高いチームとして知られています。

川崎フロンターレは、JリーグがJ1・J2・J3リーグ戦の観戦者を対象におこなった質問調査の結果、「ホームタウンで大きな貢献をしているクラブ」として2010~2019シーズンの10年連続で1位を獲得しました。

参考(https://www.frontale.co.jp/with_kawasaki/regional_no1.html)

また、川崎フロンターレは持続可能な開発目標(SDGs)にコミットした、「川崎フロンターレSDGs」という活動をおこなっています。

以下、川崎フロンターレがおこなっている地域密着型・社会貢献型のイベントをいくつかご紹介させていただきます。

川崎市教育委員会との取り組み

「川崎フロンターレ算数ドリル」を川崎市内の各小学校に毎年配布しています。

ブルーサンタ活動

川崎フロンターレの選手が水色のサンタクロースに変身し、小児科病棟を慰問する活動です。クラブ創設時からおこなっており、コロナ禍で数年間行えていませんでしたが昨年の12月に再開しました。

陸前高田ランド

復興支援として繋がりを持った陸前高田市ですが、今でも交流を続けており毎年多くのイベントをおこなっています。

陸前高田ランドという試合日に行われるイベントでは、餅まきや陸前高田市の有名なグルメを限定販売するなど、毎回多くの人が押し寄せる一大イベントとなっています。


川崎フロンターレは、上記のほかにも多くの活動をおこなっています。

思い切ったイベントの多い川崎フロンターレですが、選手の中でも「地域発展のために活動するのは当たり前のこと」という意識があるのだと言います。多くのイベントが成功している理由には、選手のこういった気持ちも含まれているのでしょう。

参考(https://biz.moneyforward.com/blog/41113/)

オリックス・バファローズ

オリックス・バファローズは、京セラドーム大阪をホーム球場とするプロ野球球団です。

オリックス・バファローズは女性ファンを拡大することに成功し、2023年シーズンの女性ファンの割合は37.9%と約4割を占めています。

参考(https://www.buffaloes.co.jp/special/sponsorshipprogram_guide/basic-data/)

女性ファンのことを「オリ姫」と命名し、オリ姫に向けたイベント・企画が多く行われていることで知られています。

オリックス・バファローズが多くの女性ファンを獲得した背景には、パリーグを三連覇する強さに加えて、様々なファンマーケティングがあると思われます。

①オリ姫デー

オリ姫デーとは、その名の通り女性ファンである「オリ姫」向けに行われる試合当日のイベントのことです。2015年から毎年行われており、この日は球場で女性ファンをターゲットとした企画が沢山催されます。

限定ユニフォームの配布や限定グルメの販売など幅広くおこなわれますが、中でも盛り上がりを見せているのは限定グッズの販売です。オリ姫デーの事前に行われる「オリメン投票」で上位にランクインした選手のグッズが販売され、この日はグッズ売り場に長蛇の列ができると言います。

また、オリ姫デーのポスターも大きな反響を呼んでいます。「アイドル」をテーマに行われた2023年のオリ姫デーのポスターは、SNSでもトレンド入りを果たすなど、その影響力の大きさがわかります。球団側も制作会社の方と協力をし、選手が着用する衣装を韓国まで買い付けに行くなどものすごく力が入れているようです。

②SNSアカウントの運営

近年多くのプロスポーツチームがSNSに力を入れていますが、オリックス・バファローズは特に若い女性向けのコンテンツに力を入れています。

公式SNSをのぞいてみると、選手の仲の良さ・雰囲気の良さが伝わる写真や、流行りの音源を使用した動画などが多くみられます。選手の素の姿を知ってもらうことで、新たなファンの獲得やライトな層に球場へ来てもらうきっかけとしているのだそうです。

こういった投稿に力を入れた結果、公式TikTokのフォロワーの男女比はほとんど半々に近づいてきたといいます。


「推し活」をする女性ファンの影響力は大きく、スポーツ業界に限らず多くの企業が無視できないものになっています。

オリックス・バファローズはこういったファンマーケティングを拡大することで、うまく女性ファンを取り込んできたのだということができるでしょう。今後の企画・イベントも注目していきたいです。

参考(https://pacificleague.com/news/50449)

まとめ

スポーツチームがおこなう、ファン増加に向けたスポーツマーケティングについて理解していただけたでしょうか。

今回ご紹介したスポーツチームのみならず、ほとんどのチームで様々な企画・イベントをおこなっています。こういったイベントとともに、スポーツ業界はますます発展していくでしょう。

試合だけでなく、こうしたイベントも要必見です。

本サイトでは、スポーツマーケティングに関する記事を他にも多数掲載しています。ぜひそちらも併せてご覧ください。

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