[具体例]スポーツビジネス×SDGsの内容って?

[具体例]スポーツビジネス×SDGsの内容って?

投稿日:2023年12月1日 更新日:2024年2月16日

コラム

皆さんは、SDGsと言われて何を思い浮かべますか?

節水や節電、食品ロスの削減はもちろんですが、マイバック、マイボトル持参などといった取り組みを耳にする機会は多いのではないでしょうか。では、スポーツビジネスにおけるSDGsと言われて思い浮かぶことはありますか? 当コラムではそんなスポーツビジネス×SGDsについて解説していきます。 

スポーツビジネスとは?

スポーツビジネスとは、スポーツをビジネスの視点から捉えて運営することを指しています。スポーツビジネスの重要性は日々高まっており、多くの企業や組織がスポーツを通じて利益を追求し、社会的な影響力を持つことを目指しています。

スポーツビジネスと聞くと、プロスポーツチームの運営を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、さらに広い意味で使われるのが一般的です。主なスポーツビジネスは以下の通りと様々です。

・プロスポーツの運営 ・スポーツ施設の運営 ・スポーツ施設の建設+管理 ・スポーツイベントの運営 ・スポーツ用品メーカー ・メディア報道関係 ・スポーツバーやカフェの運営法人 

SDGsとは?

SDGsとは、2015年9月に国連サミットで採択された「持続可能な開発目標」を指します。この目標は持続可能な世界を実現させるためのもので、2030年までの達成を目指す17の目標と、それに紐付く169のターゲットが設定されています。

JAPAN SDGs Action Platform より

第163回 2023年のSDGs達成度ランキング、日本は21位

SDGsの推進を行うSDSN(Sustainable Development Solutions Network)と独ベルテルスマン財団は、2023年の世界の国々のSDGs達成度ランキングを公表、日本は前年の19位から2位下落し21位となりました。日本についてのSDGs評価の内訳を見ると、目標1(貧困)、3(健康・福祉)、4(教育)、6(安全な水)、8(経済成長)、9(産業・技術革新)、11(町づくり)、16(平和と公正)が高評価である一方で、目標5(ジェンダー平等)、7(エネルギー)、12(つくる責任・つかう責任)、13(気候変動)、14(海の豊かさ)、15(陸の豊かさ)が低評価となっています。

スポーツビジネスにおけるSDGsとは?

スポーツ×SDGsにおいて、注目度の高い目標は以下の6つあります。

①目標3(すべての人に健康と福祉を) ②目標8(働きがいも経済成長も)

③目標11(住み続けられるまちづくりを) ④目標12(つくる責任 つかう責任)

⑤目標14(海の豊かさを守ろう) ⑥目標15(陸の豊かさを守ろう)

ここからは、私が重要であると感じるSDGsの3つの目標とスポーツビジネスとの関係を説明します。

目標3 (すべての人に健康と福祉を)

正式にはこのあとに「あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確実にし、福祉を推進する」という目標が続きます。スポーツ庁の「令和3年度の体力・運動能力調査結果」によると2019年調査まで運動能力テストの点数は上昇していましたが、コロナ後の2021年調査では上昇傾向にあった子供や高齢者を含めてほとんどの年齢で点数が低下していました。

高齢化の進む現在、スポーツには「生涯スポーツ」という考え方があります。人生100年時代になり、定年後にスポーツを始める人も多くいると思われます。そのため、何歳であっても、個人に見合ったスポーツを見つけ、取り組める環境を作り上げることがスポーツビジネスには求められています。

目標11 (住み続けられるまちづくりを)

運動をするメリットとして、疲労がたまりにくくなることや、ストレスや不安を緩和する効果があると言われています。また、睡眠の質にもつながることがわかっており運動をする重要性は高くあります。

現在、都市に暮らす人は、世界人口の半分以上の55%ですが、2050年には68%、世界の人口の3分の2が都市に住むと予想されています。今後、今以上に多くの人が集まって生活したとしても、誰もが気軽に利用できるスポーツ施設やサービスが整っていることが重要となります。健康を維持しながら住み続けられるまちづくりとしてスポーツビジネスは深い関わりがあると考えられます。

目標12(つくる責任 つかう責任)

持続可能な消費と生産のパターンを確保するという目標を達成するために、スポーツ用品の生産と提供に持続可能な基準を取り入れることが重要視されています。また、昔に比べ比較的安価に道具が手に入りやすくなったために、使い終わった道具を再利用しようという考えも大切です。

身近な例では、 廃棄されるテニスボールを回収し、学校の椅子や机に履かせることで消音に役立てる活動を日本プロテニス協会が行っています。資源の有効活用の観点から今以上にこれらの活動が活発になることが期待されています。

実際にどのような取り組みが行われているのか

B.Hope

国内プロバスケットボールリーグであるB.LEAGUEでは発足時から、スポーツを通じた復興支援や地域課題解決につながる活動を「B.LEAGUE Hope」と銘打って力を入れています。 「バスケで日本を元気に」を掲げ、社会・地域からの期待に応え続け、また近年ではSDGsへの取り組みをパートナー企業の方々と連携して行っています。

また、クラブとして活動を行っている例もあります。「川崎ブレイブサンダース」は、ダンスやeスポーツなどが体験できる若者の居場所をつくり、「滋賀レイクス」は琵琶湖岸をゴミ拾いしながらウォーキングするイベントを開催、「千葉ジェッツ」はフードドライブ活動を行うなど、それぞれのクラブにできる地域課題の解決につながる活動を行っています。

シャレン!

シャレン!(社会連携活動)とは、社会課題や共通のテーマ(教育、ダイバーシティ、まちづくり、健康、世代間交流など)に、地域の人・企業や団体(営利・非営利問わず)・自治体・学校などとJリーグ・Jクラブが連携して、取り組む活動です。活動の一部として、若年層の献血者数減少に対処するため、明治安田生命と日本赤十字社はJリーグと協働して「シャレン!で献血」と題した啓発活動を実施しています。

まとめ

いかがだったでしょうか。今回は、スポーツビジネス×SDGsということで、それぞれの関係性について具体例を挙げて説明しました。

近年、国内のプロスポーツでは、全国展開を進める動きが多くあります。各スポーツチームがその県や町の軸となり、コミュニティに貢献していくビジョンを掲げ、地域のまちづくりに寄与していくことが理想だと考えます。

「地域のみなで応援し、活動し、生活する」そのきっかけづくりと手助けをプロチームを中心に行うことがより効果的なSDGsへの貢献につながっていくのではないでしょうか。

 

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