「DX」によるスポーツのデジタル化とは？

みなさんは、今後、日本のスポーツ産業がどのように発展すると考えますか？

スポーツ庁は第3期スポーツ基本計画において、スポーツ界におけるDX化の推進を掲げています。

様々なスポーツに関する知見や機会を国民・社会に広く提供し、スポーツを「する」「みる」「ささえる」の実効性を高めることを目的としているDX化がどのようなものなのかを今回の記事でご紹介していきます。

スポーツビジネスについて

まずはスポーツビジネスの種類についていくつか例を紹介します。

・プロスポーツ

・スポーツ報道

・スポーツイベント

・スポーツ用品の企画・販売

・スポーツ教室・スポーツジムの運営

など、スポーツをする立場、みる立場、ささえる立場でのビジネスが存在します。

DX(読み方:ディーエックス)とは何か

DX(デジタルトランスフォーメーション)について、辞書的意味は以下の通りです。

「デジタル化により社会や生活の形・スタイルが変わること」

また、経済産業省はDXを「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」と定義しています。

スポーツ界におけるDXの推進 

①国民のスポーツ実施において、デジタル技術の活用を促進

1. 地域で孤立している人や健康上等の 理由で外出が困難な人等、多様な主体が平等にスポーツを実施できるよう、デジタル技術を活用
2. ＡＩ、ＶＲ等の先端技術を活用した支援手法を含む、スポーツ医・科学等の研究の推進
3. スポーツに係るデータの集約・解析や、様々な課題への活用等を実施するための体制づくり

②デジタル技術を活用した新たなビジネスモデルの創出

1. デジタル技術を活用したビジネスモデルの優良事例の収集・横展開、事業者への表彰
2. 競技者同士が場所や時間を気にすることなくスポーツを楽しむことができる取組を支援
3. デジタル技術の活用やデータ分析等によるビジネスモデルを創出できる人材の育成・拡大

すでに実施されている例

VRによる視聴体験の向上

VRを通じて遠隔地からでも臨場感のある観戦体験を提供することができ、格闘技ではVRチケットを購入することで、リングサイドから試合観戦が、プロ野球では１試合通して様々な視点からの観戦が可能となっています。

センサーテクノロジーによるデータ収集

野球では野球ボールに対してloT技術を活用し、球速・回転数・球種が計測できます。

loT野球ボールには、「3軸加速度センサー」「3軸地磁気センサー」「3軸角速度センサー」が内蔵されており、球速・回転数・球種・最大加速値・回転軸などの計測が可能です。

また、近年ホークアイを導入するプロ野球のチームもあります。これは、ボールの回転や飛距離などのデータに加え、バッターのスイングスピードや動き方、守備位置、走者や野手の走るスピードなどといったデータを試合中に測定できます。

これらにより、選手はシーズン中のパフォーマンス維持や怪我予防の観点でデータを活用することが可能となっています。

DXによる新たなビジネスモデルの創出

伝統的な収益源だったチケット販売や物販に加えて、現在はストリーミングサービスの普及やオンデマンドコンテンツの提供が主流となりました。

また、データ分析の進展は、ターゲット顧客の特定、行動予測、パーソナライズされたマーケティング戦略の策定といった点で、収益構造の最適化を助けています。

最近ではeスポーツの成長やバーチャルグッズの販売など、デジタル時代特有の収益機会が増え続けており、DXの推進がこうした新しいビジネスチャンスを生み出す原動力になっています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回は、今後のスポーツビジネスとして、スポーツのDX化についてお話ししました。

VRを使った試合観戦など、デジタル化による取り組みに興味を持っていただけたでしょうか。

スポーツ界におけるDXは、2027年の3月までの政策目標として「様々なスポーツに関する知見や機会を国民・社会に広く提供することを可能とし、スポーツを「する」「みる」「ささえる」の実効性を高める。」と示されています。

第3期スポーツ基本計画も残り3年となりました。目標の実現に向けて、日本のスポーツ産業が今後、どのように発展していくのか期待したいです。

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